2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧
心にシェルターではなくフィルターを置いて、優しさを詰めて行く。
人間の心の眼は、トンボと同じ複眼だ。 しかも、遠近両用のレンズを必要とする。
疲れがドカンとイカリを下ろした。 それを外すには、放し飼いにされた牛になるのが一番。 半日、すべてを遠ざけ、布団という草原に横たわりに行こう。
おいしい命。まずい命。心で味付けしてる。
そのしたたかさがあなたを踏みにじってもいる。それでも生き抜く、ブルドーザー。
金木犀の香りは特別なものだった。 なのに、トイレの芳香剤に使われて以来、 私の恋物語は、ロマンチックが抜けて少し人間臭い。
いつまでも、いつまでも。 冷たくなった釘を打つ、強い悲しみのハンマー。 親より先に死んじゃいけないよ。
消せない寂しさが、いつか克服できる寂しさに寄りかかれる日。きっと来る。
美味しい命の押しくらまんじゅう。飽和の粒。たわわ、ひと房の世界を食む。
フラッシュがたかれ、こころに新月が微笑んだ。 膨らみかける気力。秋風が吹き、迷いの雲が離れて行く。
芸能人を見て、悪さしても簡単にリセットが効くと、子どもは思ってしまう。
こころの窓辺に飾られた無数のスノードーム。 過去の出来事が一つひとつに詰め込まれている。 時々、揺すって、思い出がゆっくり沈んで行くのを眺めたりする。
想像力は、まるで喜怒哀楽にもまれて育った末っ子のようだ。
「秋のむし、ないてるねぇ〜」 ある日突然、赤ちゃんから脱皮した息子がしゃべった。 人生の物語のファーストセンテンスは、一度きりの詩人が飾った。
まなざしで我が子をオブラート。やわらかい時をあみくるむ。
不意に、清冽な秋風にタックルされた。 てんやわんやの世界が、私から遠ざかって行く。
多くを生み出す、暮らしと握手した「知恵の手」でありたい。
恋は盲目。好きなものを巨大化できる心の在り方に、驚嘆、絶句。 猪突猛進、強行突破。向こう見ずの早ワザあり。 かたや、広角な心に咲く花。一点だけを見つめるのは至難のワザ。 溜息まじりで、恋に座り込む。
子どもが釣り上げる、眠りについていた親の性根。
煙で燻さられた、スモークハム。 暮らして燻された、古民家。 生きて燻された、笑顔を湛える深い皺。
こころは急に変えられない。 ポロリと落ちるまで待とう、傷心のカサブタ。
ちびっ子ギャングを相手に、最大の驚きは、ゴジラに変身してしまったことだ。 吼えて、火を吹いて、昨日までの私の箱を踏みつぶした。げっそり。気持ちは焼け野原。
愛のムチを受けたことがない先生や父兄がいたとしたら、残念。 愛が空っぽのムチを受けた先生や父兄がいたとしたら、至極、残念。
燃え続ける夕焼け空に、はっきり、くっきり言われた。 「惑星の住人じゃん」。凄くて言葉が出なかった。
水をたらふく飲んだジャングルは、命の濃い世界を発汗する。 撥水するコンクリートジャングルは、人の生き方を弾いて迷子にさせる。
太陽に無条件反射して、湧き起る緑の大合唱。 ジリジリ焼かれ、フラミンゴ色に燃えるこの腕の悲鳴。
遥か頭上。豆の木に登ってジャックが辿り着いたのは、宇宙ステーション。
琥珀色のピルスナーの向こう。 一年が苦味をからめて、だんだん色づいて行く。
犯罪者に糸を引くのは、過去、同じパッケージに入っていた納豆みたいな人々。 別名、犯罪仕立て人、「見た目ふつうの粒」。彼らこそが頓着のない罪つくりの発酵体。
気まぐれ小悪魔に振り回される快感。 憎らしくも、もはや一心同体。恋するは携帯、四角い顔の奴。