2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

深呼吸する言葉・つぶの煌めき、つぶの後悔

頭の缶にいっぱい詰め込まれた過去の粒々キャンディー。 今までの後悔だって、包みを外し、そっと舐めたり出来る。

深呼吸する言葉・混ぜられない心

試験管の底の方は濁っていて、 上澄みに一滴の波紋を投じたものの、 遠い底に果たして届くのかどうか。 試験管の心は混ぜられないまま、 六十八億本も林立する惑星。

深呼吸する言葉・ルビーはひたすら泳ぐ

眠らず泳いで赤身になったマグロは、海のルビー。 ウォータースライダーに乗り続ける赤血球は、命のルビー。

深呼吸する言葉・暮らしは箱の中で息を潜める

引っ越しが決まると、部屋の中は生活の色が消えて、段ボールのビル群と化す。 その隙間を、荷物をはらんだゴジラになって、気炎を吐きながら、どかどか歩く。

深呼吸する言葉・心の造形

時には、ウニのようかもしれない。 おまけに、ハリセンボンみたいに膨らむのかもしれない。 いろんな方向にとんがって、ほうぼうを探す心の形。

深呼吸する言葉・霧笛日和な雨の海

「ぼ〜〜〜!!」 それはまるで、「俺はここに居るよ。」というたった一つの真実だけで、 霧の壁をかき分けて行く意志の音がした。 みんなの心にある「霧笛」と、「無敵な自由意志」を教える船の叫びだった。

深呼吸する言葉・スモークな瓶

突然、思い上がった意識が発泡して、曇ったガラス瓶の心を昇って行く。 口栓を吹っ飛ばしたあと、言葉になった泡は、飛沫してシミとなった。

深呼吸する言葉・雨の匂いだけ

お天道様がまぶしいと、あっちこっちでアリも行列。 今日は雨で、ゴミの臭いや匂いも消す静かな日曜日。

深呼吸する言葉・寄せて行く粒

水滴が肌の上をころころ伝って行くように、 世界が映るきらきらした水玉の心ならば、 簡単に言える、「ようこそ!」と。

深呼吸する言葉・愛おしさの卵

魂と体がもう合体したのか、していないのか、 叱られて、くちゃくちゃになった幼気な泣き顔は、 今でも、この心をくちゃくちゃにしぼませ、 「きゅん」と息んだ後に、「ぼとり」と落とされる愛おしさ。

深呼吸する言葉・爽風

風に洗われる。風にすすがれる。風に干される。 陽がそそぎ、風のなかで、ただ、佇むこころの芯。 地球から生える、たった一本の触角になって行く。

深呼吸する言葉・わっ!!

しゃっくりする思考回路。 あっちへ、こっちへ、ハネ上がる言葉。 もつれた頭には、どしゃ降りの眠り雨。 睡眠足りて、言葉かたまる。

深呼吸する言葉・地球に触れてバンザイ!

飛び出したい心と、制御装置の体。 殻に納まることで、この地球と一緒に生きて行ける。

深呼吸する言葉・腫れてしまう心

触れると、心がかぶれてしまう、ウルシの人。 対処法が、触れないことだけ、なんて寂しすぎる。

深呼吸する言葉・心のゆく先

水の中からザルに上げられて、緑の風に吹かれる心地良さよ。 それなのに、海に眠りたくて、恋しくて、潮風に近づくの鳥の心。

深呼吸する言葉・早口言葉/その2

こころ、こころ色、こころ色々、こころの囲炉裏に、こころ居ろ。

深呼吸する言葉・手芸屋さん

「恋するセーター」になりたい毛糸のつぼみ。 少女は、心を編み込める「意志の棒針」を手にした。

深呼吸する言葉・朝陽は栄養剤

闇夜は眠剤にして飲んでしまえ。 胃が時間をかじっている間に、希望が近づく。

深呼吸する言葉・わたしは、わたしで

あなたの優しい陽だまりになれたかな、わたし。 ほんとうは、陽だまりを追いかけたい、わたし。

深呼吸する言葉・瞬間芸!?

言葉の蛇口からポタポタ煩悩のしづく。 一気にジャーと吐き出す人。 栓を閉めて心鎮める人。 どっちがいいだなんて言うヒマないくらい 性格という瞬発力に支配されている。

深呼吸する言葉・きっと

愛情のほとりの住人だけが、あの世でも春が現れるのだろう。

深呼吸する言葉・にんげんのルーツは真珠貝

異形の粒をぐるりと包んで、からだじゅうの細胞で育てた「こころ」は、真珠みたい。

深呼吸する言葉・石のまま

彼女は沢庵石。 硬過ぎて味は沁み込まず、 重すぎて、その心すらどかせない。 敷かれた大根の心根に漬かる間の幸せ。

深呼吸する言葉・時空スイッチ

過去へのタイムマシーンは、生きた年数ぶん、頭にちゃんとセットされている。

深呼吸する言葉・破けた空から落ちた先

人の心に吊るされたブランコに乗って、キーコ、キーコ、くじけた心。 大丈夫だよ、大丈夫だよと、背中に隠れていた勇気を押し出され、戻れた私の空。

深呼吸する言葉・新世界

十七年蝉は、真っ暗な、地球の思索にふける哲学者。 二週間の余命に震えながらも、希望の陽のなかで「答え」を叫んでる。

深呼吸する言葉・侘しいチーズの人/その2

ささくれ、はがれ、跡形もなく飲み込まれて、 キズナになりそこなった、さけるチーズの人。

深呼吸する言葉・団子三兄弟/その1

団子の串は、人間のキズナよりしっかりと太く見える。

深呼吸する言葉・春ころころ

小さな鈴、大きな鈴、中くらいの鈴。 こころ、ころころ、集まる家族の音色。

深呼吸する言葉・椅子も・・・

立ってれば、自分の足元が見える。