2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧
切れても切れても生えてくる希望のしっぽを探す心の旅。
無邪気な木琴の音がする窓辺が通学路に咲いていた。
46億年も狂気のマグマを深遠に隠すハイド氏。 かろうじて、ジキル博士の冷めた表情に便乗して咲く人類の花。
パワーアップのため、売店で牛乳とあんぱん。 袋を開けたら、待ってましたとばかりに勢いよく吹っ飛んだ。 私より2メートル先で落ちたアンパンマンは、誇らしげであった。
あなたのえくぼに腰かけたい。
丁寧に生きて来たことが目に飛び込む、八十九歳の手の所作。
あみだくじのような記憶の回路。 当たった先には、想い出の住人がいつだってハロー!
未来が見える公園なのに、家の中にもぐったままの蓑虫。 風や泥にくるまれて遊ぶ朗らかな魂を探しに行きたいブランコ。
微笑むハジマリの卵。パカッと割れて孵化した恋の予感。
突然パチンとはじけて、ゆるむ。のびる。ふきだす。あるがまま。くずれる。 よじれ、なだれ、もりあがり、まきこまれ、大爆笑して洗浄される底のほう。
感情も涙も迂回できる心に変態をとげて行く。 心の穴という穴から涙がこぼれ落ちたのを忘れたくて。
幸せ気分になる「言葉のふりかけ」をあなたの戸棚から出して来て。
複雑で要らぬ感情なのに、川底の砂をつい掬ってしまうかのように。 単純で大事な感情なのに、砂金を取りこぼしてしまうかのように。
この世であろうと、 あの世であろうと、 無であろうと、 私であることに変わりない。
逢いたくてたまらない感情は永久不滅です。 それが、あの世を生み落としたのでしょう。
その笑顔は、自分に手渡した人生初の号外でした。
もう、年輪はミディアムな柔らかさのバームクーヘンで。
ガシ、ガシと、かたい霜柱を踏みつぶすクツの裏。 テレビで街並みを破壊していた怪獣気取りの朝。
自分を包んでいたキャンディーの紙を外してしまう痴呆のスイッチ。 今度は違う紙だけど、キャンディーを大事に包めたらいいね。
高齢者の笑顔で日向ぼっこ。しばし、甘えさせて。
溶接された魂のつぼみが開く時の、あなたの雄叫び。 その衝撃で、私にも生きている証しの涙が落ちる。
目の前で、二年分の命を膨らました息子が木枯らしに体当たりして行く。 冷たい夕暮れのグランド、可愛らしい笑顔で温められる孤独の輪郭線。 容赦なき風も、いつかは、ただ、ただ、ただの風。
冷たい北風が、振り込めサギ師の手口です。 老木は、あっという間に葉と良心を落とします。
抑え切れない逢瀬に風とハグして大きく膨らむカーテン。 おろおろと、気分屋の彼に振り回されるだけなら、 いっそ裾を上げフラメンコ踊ったら、So long!
「幸せになりたい」と息を吸っては、「幸せになってね」と息を吐く。 そんな心の粒が運ばれて、世界が幸せで繋がれて行く日。
真冬でも大気を吸い込めば、鼻レーダーで捉える微かな春の寝息。
中学校の卒業式まっただ中、隣で嘆くお母さん。 「式に来たらぶっ殺すぞ!って、息子に言われました」 咄嗟に私の頭に浮かんだナマハゲノの姿。 その直前まで、晴れがましい日の幸せを当たり前のように思っていた。
心の天井まで蹴り上がる力強い輪郭の泡。 それは、誰もが深底発泡する恋のときめき。
春。夏。秋。冬。 この命に生る時間の実を彩食して、想い出の種を残しましょ。
明け方、カーテン越しに厚い気配。 空にぶら下がっていたのは、途方もない巨大クジラのお腹。 危なっかしい遊泳。朝の街に座礁しないようゆっくりと泳ぎ去った。