2011-01-01から1年間の記事一覧
クリスマスが終わると、 膨らましていたサンタが一斉にしぼむ。
マッチ売りの少女のように、侘しく灯る夜であってもいいさ。 きらめく電飾が、思い出の夜を美しく照らしてくれていれば。
無駄なことでもやたら身に付けようと過食した若き日。 もはや、あらゆる無駄をこそぎ落としたい減量の日々。
からだの自由が錆び固まって、 シュールな言葉だけ残ったお婆ちゃん。 めんどうな言葉の束縛から解放された、 その瞳の点滅が眩しい。
月だって、人間に嫌気がさしてるじゃない。 一年に3.8センチ、地球から後退りしてるもの。
のらりくらりの日々であろうと、 ひたすら回遊魚の日々であろうと、 身体はどんな理由づけにも従うしかない相棒だ。
原発ゼロ・パレードが、 野球の優勝パレードに集まる人の数あれば、 まだ間に合うかもしれないのに。
積もった疲れを振るい落としたかった昨日。 何事も無かったかのように覆いかぶさる今日。 わたしは、わたしに雪崩れる、冬の山。
群青の、地平線のジッパーを開ければ、朝陽が飛び出す。 それに押されて、私は「おはよう」を毎日繰り返し、生きる。
地球は人間の欲について行けない。 そんなに早く廻れない、蘇生できない。
70億もの心はどこからやって来たのだろう。 細胞分裂みたいに、魂も分裂するのかな。 それでもって、愛も薄まってしまうのかな。 だって、そんな人でいっぱいの出来事ばかり。
波の音、さめざめと。 詰っていた、いつかの孤独さえ戯れか。 もう逢えない海原の愛の、抜け殻の貝。
群れらかに老いた命を灯そうと、この命を燃焼する。 後に残るのは、身体に充満した二酸化炭素と、 気絶するような乳酸の眠りだけ。
必死の、微笑みのブリザードで隠されて行く、心の奥の氷山。
ちんどん、ちんどん、賑やかにしていたって、 大方は、「さびしがり屋」の看板を背負ってる。
車いすが緊急車両になって、 トイレ搬送を要請するお婆ちゃん。 理髪店のサインポールみたいに 夜通し、頭の中で回り続ける「お小水」。
あなたの口にはえたトゲ。 だんだんそうやって、 荒野のサボテンになって行くんだね。あなたの心にはえたトゲ。 認知症をきっかけに、 ハリセンボンになる時もあるんだね。
おんぶされて眺めた光景は、幼児の記憶に録画される。
自分を疑問に思ったら、蟹のように脱皮できたらいいね。 踏みつけられようと、然りげ無く柔らかい心でいられる。
愛は主張なんてしない。 静かに、いつの間にか、 愛の金平糖をひと粒育て上げている。
昼下がり、八百屋の軒先。 果物がささやく極彩色の香り。 遠くの方で蟻の笑い声。 誰も気に留めぬ平和に紛れて行く母親。 取り残されたベビーカーで眠る赤ん坊。
いいものをそっとしてあげられない悪のアメーバー。 それは全てのDNAに隠れている。
深い皺や荒れた皮膚を眺めましょう。 まとったいろんな季節の服も眺めましょう。 私は地球を撫でる鳥の眼になりたいのです。
現在進行形の脅威も、フクシマの涙も、さておき。 そんな原発を輸出できてしまう国は破廉恥だ。
大津波 末の松山 越さずとも 涙浸かりて 愛は錆び行く
地球は人間の文明を食べたあと、静かにお昼寝する。
どの人も、どの人も脆弱だ。 胡桃みたいに強く丸くさせるのは、 愛の詰まった想いだけなのだろう。
煙草吸う父がこしらえた白いドーナッツ。 もみじの手が何枚も空を追いかける秋かな。
ゆとりに呑み込まれて楽しか出来ない身体もある。
10万年、地底で蝉になる。 放射能が消えれば、夏への扉。 世界中、喜びで泣き止まないのだろう。