2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

深呼吸する言葉・何者!?

苦しい時に生まれて来る言葉は我がままだ。

深呼吸する言葉・火炎消火

わずか小さじ一杯の「ためらい」で、 口から火を吹く言葉を消せたのに。

深呼吸する言葉・橋の下に灯る橙色

さざ波立つ春の川面の水壁いちまい下、 はぐれ泳ぐ鯉に漂泊の心模様をプリントする。

深呼吸する言葉・はにかむニュー・フェイス

心にレッドカーペットが敷かれ、優しい気持ちがドレスを着て登場した。 いっせいに立ち上がって迎える、かつての温かき感情たち。 みんなで記念写真を撮った後、静かに意識の階段を降りて行く。

深呼吸する言葉・梅が枝餅と春

五感を開栓すれば、春告げ鳥の鳴くを知る。 花の香摘みに、地上めがけて風が練り歩く。 やがて、夜空が声をかけて来るだろう朧月。

深呼吸する言葉・眠れる森の美女

眠りの森に横たわる麗しき大らかな時間。 それを探すがために煩雑な時間の森に迷う王子。

深呼吸する言葉・スルーした

今日は受付嬢の「こころさん」がお休みなので、 雨音の調べも、声の変調も、ただの音で受け付け済ます。

深呼吸する言葉・こんな柄

気分を貼り替えるのなら、見るからに楽しい記念切手にして。

深呼吸する言葉・ピース

みんなの取り柄を一つずつ寄せ集めて作る日本の国のジグソーパズル。

深呼吸する言葉・オアシスが消える日

些細なことまで串刺しにして炙り出す視聴者気質。 世界がオオカミだらけの荒野になって行く。

深呼吸する言葉・最強の糸

人の優しさを編み込めば、心のちぢみに強くなる。 手をつなげば、結び目から芽吹いた糸で、もっと編んで行ける。

深呼吸する言葉・ココロ空っぽ

情緒のプラグが抜けたまま、子どもを傷つける親型ロボット。 宇宙の果てのスクラップ置き場に運んでしまいたい。

深呼吸する言葉・若造の驕り

「人のことをレベルが低いとか言うもんじゃない。」 父に一喝され、赤面して心の温度が下がった若き日。 今は適温で在るだろうか。

深呼吸する言葉・禅

真っ暗な心の中心に座り、焚火にあたっている私。 火にくべているのは要らぬもの。

深呼吸する言葉・春の缶詰

ごり、ごり、缶詰を開ける強さで、春を歩くのでしょう。

深呼吸する言葉・巨大リュウ横浜に出現!

街がミニチュアサイズのウルトラマンだって、 天空を滑って行く巨大リュウには畏敬の念。

深呼吸する言葉・順番なの

命ゆく日くる日。その順番を見守るのも順番。

深呼吸する言葉・冬の窓辺

昼下がりの長椅子で居眠りする子ども。 様子を見に来てしばし添い寝をするお日様。

深呼吸する言葉・伝導する手

たくさんの命に触れて、優しさが肥大した高齢者の手。

深呼吸する言葉・もう近づけない 

膨らました「嘘の風船」がしぼむ時、あたり一面に噴き出す性根の腐ったスモッグ。

深呼吸する言葉・粘るモノ

後悔は、その粘着力で上質の修復剤になることがある。

深呼吸する言葉・発熱前

赤ちゃんから伝わる命の温もり。 まだ、色のない心の温もり。

深呼吸する言葉・笑い飛ばす

人生の道路で誰かを伴走する時、 胃袋の下に笑い袋があれば、持ち堪えられます。

深呼吸する言葉・チャージ

手なずけたエネルギーを凄いスピードで体に埋めて行く。 ハーメルンの笛吹き男みたいな短眠博士。

深呼吸する言葉・頭の中の都合

突然、背中を押してくれるゴングが鳴ったり、 どうしょう、こうしょうと、不安の波音が断続したり、 頭の中には効果音さんが常駐している。

深呼吸する言葉・調和なき世界

いま、世界じゅう、ガーベラの花だらけ。 葉っぱとの調和は素知らぬふり。一直線、独り咲き。

深呼吸する言葉・暗黒の陰謀者

どんな風に葉が生い茂ろうと、 地面の下で地上を操作するのは、 ほんの一握りの腐葉土となった葉っぱ。

深呼吸する言葉・未来に点眼する言葉

幸せになあれ。抱いた赤ちゃんの瞳に点眼する見えぬ言葉のしずく。