光を集めて、風を集めて、 安堵を集めて、恋しさを集めて、 尽きぬ想いを集めて、固めて、 ヒビさえ美しかったりする、 ビー玉みたいな人生。

遠い日、きらきら火照る心。 輝きは、エンジンを回した後の排気にあった。

繋いだ手の平の中で、幸せの遺伝子が飛び起きた。

あなたの顔に集まる音符。 刹那、奏でる笑顔に見惚れさせて。

デリケートになっている地球。 核なんぞ打ち込まれたら、 怒って、揺すぶり返すかもしれない。

コンビーフ缶を開けるみたい。 くるくる巻き込まれて行く地殻。 新しい地球の肌が露わになる。

隕石の凄まじき衝撃。 地球から千切れて45億年。 それでも遠ざからぬ月に人を想う。

歯が抜けた。 心に埋まっていた歯が天に吹き飛ばされた。 凝り固まる私を優しく砕く歯列の一本だった。 その微笑みは、この瞳を覗くたび深く頷いた。 老媼の温もりが欠けた隙間に疼痛の涙が襲う。

食べたものを薬で排出する、 老朽した身体のメカニズム。 眼下で捉えるは汚泥の海ばかり。 溜息も揶揄したくなる言葉も白く塗りつぶし、 心が冷たくならぬよう着込むだけ。

70億人の文明を縫いつけられた地球は、 その重さに耐えかねて、外套を脱ごうとする。

寒天にかじかむ蕾を見上げては、何度も春をノックしに行く。