2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧
自分しか入っていない心の粒じゃ育たないから、 重いけど、胚芽のかけらが付いたまま365日を過ごす。
ストレスの抜け殻になって、クラゲ気分。 なーんにも考えず、フワフワ漂う陽気なわたし。
見上げたビル群の稜線が、カッターナイフになって残った青空。 その彼方のギザギザは、それでも優しい南アルプスの白い尾根。
「あーした天気になーあれ」と言い残し、夕暮れ空にクツを履き飛ばす小学生が行方不明。 明日も原っぱで遊びたくてクツに願いをかけた彼らは、時代に連れ去られて捜索打ち切り。
何かに夢中になると、まわりがぼやけ始める、あの感じが好き。 スポットライトが当たるのは、この心の芯にだけ。
みなとみらいに聳えるビル群が、ある瞬間、蜃気楼に浮かぶ和風の墓石に見えた。
ほっぺに桃の花のクリーム。 乾燥した空気に塗り込むのは優しい香り。 目の前に初めて母が連れて来たおしゃれなピンク色。
温室ガス効果という言葉は、かつてのユダヤ人収容所のガス室を連想させる。 いつか、地球にツケを払わされる沢山のアンネ・フランクたち。
幸せなふわふわに包まれていたアリは、 嘘をつかれてもベタベタな感情をふり払えず、 しぼみかけた綿菓子の中に閉じ込められた。
悠久の海の中、泳ぎ亘ることを世襲したシーラカンスの稚魚。 緊張のためか少し青ざめた色に見えました。
みんなの笑顔を焼き付けようとしていた、静かな微笑み。 そんな最期の試みを考えただけで、今にも降りそうな雨雲が瞳に停滞する。
りんごの皮をきゅきゅっと磨いて、がぶりと食らいつく。 ほとばしり、したたる果汁に野性が1ミリ戻った。
サンタクロースも、もはや「サンタ苦労する」としか聞こえぬその危うさよ。
ことん、と音を立てた感情さえ、驚いて飛び立つ鳥。 ほんとうに美しいものは静寂のモナカの中にある。
儚さを握りつぶす、こぶしの赤ちゃん。
じぶん様に、一億光年かなたから一瞥して瞬いた神様。
スピードすら淘汰されて行くこの時代。 カップ麺は、ちょっぴり待つという楽しみを保存してくれた。
赤ちゃんを抱いているように見えて、 実は、無垢なものに抱かれているこの心。
頭上を陽が照らしても、 忙しさが吹雪となって視界を塞ぐこの師走。
今日の風は達筆だ。 真っ青な空の底に鮮明なウロコを並べていく。 雲の色調を時に薄める風力。 巨大な魚は横浜の街を眺めながら泳いでいく。
美味しい一粒のチョコレートも、 愛がマーブル模様になった一粒の人生も、 どれもこれも広大な宇宙のつぶつぶ。
「自分」を圧縮して瓶詰めにしている。 「独りよがり」は生き延びるが、色あせて息苦しそう。
地面を吸う花や植物は、かつて命を包んでいた衣の散乱を一つに完結させる。
ゴールのテープなど切れずに終わる師走でも、 風呂場の湯気たちに迎えられ包まれる夜がある。
優しい卵に羽根を生やして、飛んで逝くな、飛んで逝くな。 いたわりの芽が殻を割るまで待てまいか。涙で羽根を濡らせまいか。
忙殺日和。 朝陽に励まされ、子どものためにエンヤコラ。
どんなに不況の風が吹こうと、クリスマスツリーは変わらずきれい。 何ものにも左右されない不動のものをこの心にも植えよう。
うっかり、爆睡してしまった。やりたいことが出来ずに終わって放心する。 過去になりたてほかほかの時間に、身の詰まっていない殻を残して来たような気分。
生まれて百日目の赤ちゃんに見つめられたら、 みずみずしい明日という瞳の海原に、この姿が映った。
眠った子にそっと布団をかけるように、 何気なく、気持ちがほぐれる言葉を添える人。 静かで温かな粒が世界にあふれ出す。