2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧
金平糖に育った愛の結晶から、 「一緒に居たい」という突起物が抜け落ちたら、 それはもう、ただの煩悩の粒。
「こころ」と「からだ」が製氷板のように冷え切った。 なんだって、かんだって、濡れていれば、象の足だって簡単に張り付く。
その昔、シャーマンを悩ませた坐骨神経痛。 どんぴしゃり、雨を言い当てたのは腰痛だった。
過去の思い出が詰め込まれた「細胞の箱」。 鮮度保持のため、ドライアイス化したもので守られている。 たまに、「闇の箱」を抱えている者もいて、 それは、守り切れず、結露して泣き濡れているように見える。
街を脱出。潮風にひらひら寛ぐスカートの裾。 時々、主人公そっちのけで大あくび。
子どもには、まだ、胚芽が残っている。 それを燃料にして、夏、自分の発電機を回す。
ジリジリ点火し続けるアスファルトの鉄板。 地面の中で蒸された蝉は、エアコンを夢見て永眠する。
シマシマの檻模様に閉じ込められた、スイカの赤い情熱。 黒い種は、幾つもの夜空の下で流した涙のDNA。
大気圏の底をクラゲのように流れていく日傘の群れ。 熱くたぎった空から落とされる紫外線の魚雷。 本日正午。公園付近で、黒いクラゲが大量発生の模様。
太陽に焼かれて、炎症をおこす巨大アスファルトの皮膚。 風の冷湿布がちっとも効かない、2010年の夏。
しゅる、しゅる、しゅぱーん! ねずみ花火に追いかけられるように、 「きゃー」「きゃー」言いながら、 夜祭の提灯に群れていく、素足の心。
病気に罹りにくい性格の人がいる。 けれど、だからこそ、 病気を甘やかして、我がままに振り回される。
夏の光線に包囲され、 草木、鬱蒼。 家々、鬱蒼。 濃い影、鬱蒼。 そこに、あっさりと咲く昼顔。
往来の通行人をどかし、ベビーカーを暴走させる母親。 未来を懸念する、その恐い顔と対峙する子どもの姿。
雨水みたいに時間を2リットル溜めてまどろむ夢のなか。
『近づかないで!!』 愚痴や文句ばかりだと、心の中で鎖に繋がれてしまうよ。
こころに寂しくて堪らない縁側がある。 庭には、私の時間から剥がれて落ちてしまった命が 一つ、また一つと、花に化身して朗らかに咲いている。 いつの日か、その懐かしい安堵の匂いに飛び込む、蜜蜂になった私。
父や母が亡くなった時と同じように、 涙が「何故、何故、」と理不尽の神に抗議する。 「ありがとう」の言葉を残り半ぶん抱えてしまった哀しみ。 また、会いたい。温かき心の人よ──。
八百屋さんの軒先に立つと、ぷぅん!と音を立てて、肺にドカドカ入って来る夏の薫り。
向日葵みたいに一人で大きくなった様な顔はできません。 しゅる、しゅると、ツルを伸ばして、絡みついて、 ぶら下がった茄子や胡瓜は、私のようです。
『期待していません』 笹に吊るされた高齢者の短冊が、クーラーの風に揺れている。 認知症のモヤが天の川を霞ませ、年に一度の願いごとに雨を降らす。 「家に帰りたい。」本当の文字がこちらを見つめていた。
地球の体をえぐって、食い散らかして、ゲップを出し続けていたら、 よその星にリハウスして欲しいと、号泣されてしまった。
自分の過去の中に、生きて行くヒントが詰まっていた。
ひたむきだからこそ、結末、「人のせいにする」という感情の毒牙にかかることがある。
餅をつくウサギを探したけれど、何処にもいなかった。 たぶん、あの影がそうだろうと、初めて「妥協」した幼児。
大切な想いを抱えようとすると、辛い想いが頭をもたげる。 その、こころの点滅がホタルになって時間の河を飛ぶ。
ツンと、取り澄ました部屋に自分の荷物を運び入れたら、電気と一緒に何かが開栓した。 それはまるで、ただのお皿から特別なお皿に変えてしまう、スイーツのマジックのよう。