2010-01-01から1年間の記事一覧

深呼吸する言葉・向かい風に吹かれて

深呼吸するたび、ジャック&ローズ。 いつだって心の舳先に戻ってる。

深呼吸する言葉・そんな借金苦

怒りを一括返済する人。 怒りを小出しにする人。 心の負債方法を決定する、 その性格の由来。

深呼吸する言葉・熱量のある肉まん

冬、コンビニの蒸し器が家に見えます。 ドアを開けると、厚い水蒸気に包まれます。 帰宅して、硬さがほどけた肉まんは天下一品です。

深呼吸する言葉・野生の暮らし

野生動物は、赤ちゃんの命を守るだけで精いっぱい。 少年少女も、精いっぱいの暮らしで逞しくなって行く。

深呼吸する言葉・空洞化

恵まれ過ぎて芯がなくなったシャープペンシルの人かな。

深呼吸する言葉・鍛えられた高齢者

叩く。蹴る。噛み付く。睨む。 おばあちゃんの源が粗野であろうと、 身を粉にして生きて来たご褒美が長寿にある。

深呼吸する言葉・ゆうべ見た夢

ときに、空気にゼラチンを混ぜたような、まどろっこしい現実感。 ときに、それを逆転する、鮮明でシャープな脳意識を持つ夢のなか。

深呼吸する言葉・清涼無菌パック

少女マンガの恋物語は無菌パックの中。 臭いという二文字は存在しない。

深呼吸する言葉・アイスをほおばるオバマさん

大仏さんの前では、どんな人でも素に戻るほかありませんね。

深呼吸する言葉・面前のハプニング

面前で巻き込まれる、最悪な公衆の一人にならないで済む幸運。

深呼吸する言葉・あっ、

高齢者、子憂い者。 パソコンの誤変換が、あの世からのメッセージのような。 死んだ後までも子を憂う者にさせてしまっているような。

深呼吸する言葉・別れの花束

花束には前を向かせる力がある。 だから、後ろは振り返らない。

深呼吸する言葉・スローなブギ

嘘を言って、国民的英雄になれる国。 真実を見せて、しょっぴかれる国。 最初に対峙できず、ちりぢりになっていく何か。

深呼吸する言葉・秋の閃光

秋空の下、強風にゆすがれている紅葉。 それはまるで夏空の下、きらきら消え入る大輪の花火のように強く瞬く。

深呼吸する言葉・尾びれの心

立ち上がって、海面から顔をひょこひょこ出すイルカ。 その尾びれが、話しかけてくる心そのものに見えてしまう。

深呼吸する言葉・風が湧く舌

ハッカ飴が口の中ですーすーする。 からだの中なのに夕暮れの秋風がわたる。

深呼吸する言葉・口の風景

ときどき機関銃になる、お婆ちゃんの口。 至らない人に向けて、意地悪を連射する。 そんな口を見るたび、たそがれ老女でいいかと思う。

深呼吸する言葉・濁さないで

口を濁せば、めぐりめぐって、いつか地球が濁る。

深呼吸する言葉・働き盛りでなくとも忙しい!

食う、寝る、出す、の一般信号。 出す、食う、出す、寝る、出す、出す、出す、の後期高齢者信号。 トイレを往復し、足を鍛える。

深呼吸する言葉・非情の彫刻刀

彫刻刀でこころを削り出す感性、思春期に血がにじむ。 人のこころを削り出す欲の刃、舌を何枚にも彫り込んで行く。

深呼吸することば・秋三昧

昼下がり、上空のうろこ雲を追いかけ目で散歩する。 夕刻には、舌のじゅうたんにサンマを乗せて秋を飛ぶ。

深呼吸する言葉・姿を見せた野菜や言葉

太った言葉から余分なものを振るい落とす。 それは、まるで大根やカブの泥落としのよう。

深呼吸する言葉・明快な空

地球は太陽を廻って、人は地球の上を廻る。 あたまはサーチライトのように現実を廻って、 こころは自分のなかをぐるぐる廻る。 そこにリアルな実感があるだけで、空はくっきり青いだろう。

深呼吸する言葉・王者ティラノサウルス

車内を走り回る不快感のT・レックス。 化粧をする娘からは、美しさだって逃げて行く。

深呼吸する言葉・むせび泣く子ども

昔のこども、横隔膜がパニックになるまで泣かせて貰えたね。

深呼吸する言葉・季節は夏と冬でハーフ&ハーフ

急激にどかんと寒くなって、 あせる、一年ぶりの冬支度。 電車の車両はまるでタンスの中身そのもの。 詰め込まれた防虫剤の成分にヤラレテむせ返る。

深呼吸する言葉・帰りたい

しっかりと頭には黒い夏の帽子。 膨らんだボストンバッグを抱きしめ、 ベッドで眠り込む認知症のおばあちゃん。 もう帰れる家などないのに、 遠足を待ちわびる小学生のようでいじらしくて。

深呼吸する言葉・感電しない女

「違うよ」「違うって言ってんだろ」 途切れない十分間、携帯電話でやり込められてる中年男。 特急電車の走行音にまぎれて、がなり立てる声が漏電中。 乗客の嫌悪感がスパークして流れ込む先で、びくともしない女。

深呼吸する言葉・サバイバル・スカイ

雲が湧いて、雲が雲に食べられ、雲が風に消される。 それは、瞼の残像をえんえんと書き換える大容量の変化。 その、獰猛な空の世界を一喝せんと現れた太陽の親分。 何処までも続く青い海原に、雲の波が鎮まり返る。

深呼吸する言葉・遠くにあるような

目の前に広がる光景を見ずして、遥か先で輝くモノに心奪われる人の習性かな。